夢と現実の境界線
幼稚園のころからピアノを習っていて
ずっと、ピアニストになるのが夢でした。
引っ越した先の小学校は、ピアノを習っている子がとても多くて
休み時間は教室のオルガンの周りに集まって、順番に弾くのが恒例だった。
学芸会と、合唱部(クラブじゃなくて、小学校でも部活があったの)の伴奏者を巡っては
学年中から立候補が出て、その度にオーディションをした。
オーディションは、先生の前で課題曲の指示された何小節かを順番に弾いて
はいそこまで、と途中で止められた子は不合格
私は、いつも立候補するメンバーの中で二番目に上手な子でした。
オーディションするたびに、他の子たちはみんな1,2小節で止められるけど
私は言われた箇所までは最後まで弾くことが出来ていた。
でもいつも合格する、一番上手な子は
その部分を越えて弾いても止められることはなく
聴いている誰もが あぁ、この子で決定だ とわかるやりかたでした
それに本当に上手だった。
皆その子に追いつきたくて、追い抜きたくて
今考えたら一番練習していたのはその頃だったな、と思う
学芸会では念願の伴奏も出来たの。
最後の学芸会だし、その劇の主題歌を弾きたかったんだけど
手を挙げたのが一番上手な子と私の二人でね
オーディションで勝てなかった。でも、先生が他の曲を渡してくれた。
こっちにきてからはそんな風に切磋琢磨する相手は誰もいなくて
多分、私がどのくらい弾けるかなんて誰も知らなかった気がする
中学は、私の評判がとにかく悪くてただただ辛い三年間だったんだけど
唯一、私がピアノを弾けるんだってみんなに知って貰えたのは中三の合唱祭。
中一の時は、クラスで決まった曲が嫌いで伴奏やりたくなくて何も言わなかった
けどそのせいで、うちの学年にはピアノがそれなりに弾ける人が数人しかいないと
私もその、弾けない人の一人だと当時の学年の先生たちに思われてしまっていて
中二の時、伴奏やりたい、と突然手を挙げたら担任に失笑されてしまった。
こっそりでも言ってくれないと困る、伴奏者はクラス替えの段階でもう決めてあるんだからって
お情けでもう一人とオーディションしてくれたけど、その当時も私の評判はよくなかったから
見世物みたいで、やっぱり手なんかあげなきゃよかったって思ってた
(勿論不合格)
でもそのせいで、、おかげで?
中三のクラス替えで、私のクラスの伴奏者は私だと勝手に決まっていた。
5クラスの中では一番難しい譜面だった記憶がある。勝手に思っていただけかもしれないけど。
戦争の曲…曲調も好きだったし、私の気持ちものせやすくてすごくすごく練習した。
直前にスランプというか、おかしなところでミスタッチをして余計焦って、みたいなこともあって
本番失敗したら、、、みたいな気持ちもあったけど
本番ピアノの前に座ったら、それまでの緊張が嘘だったみたいに落ち着いたのは覚えてる。
学年順位は確か2番目だったけど、当時厳しいと言われていた音楽の先生は
私のクラスに満点を入れてくれたと聞いて、それで十分だと思った。
そんなこともあって、ピアニストの夢もこの頃まだ実はあって
高校から音楽科にいこうと思っていました。
でも、両親から大反対を受けて同じ高校の普通科に入学した。
結果的に、そこで再び吹奏楽部に入って文字通り青春出来たし
普通科に入学してよかったのかもと思えるようになったから、よかったのだけれど。
高校の音楽の先生に
大学のピアノ専攻を受けようと思ってる、と話したら
今からじゃもう遅い、みんなそのために部活に入らずに練習してるのよって言われて
私の甘さと、音楽の世界の厳しさを知りました。
同時に、高校に入る時に音楽科受検を諦めたことも後悔した。
それでも音大っていう夢を諦めきれなくて、出会ったのが音楽療法でした。
その先生からはもう遅いと言われ続けたけど、部活の顧問は応援してくれて
実技試験みてもらったりして、合格できたのが出身大学です。
大学に入ってからも、ピアノやクラリネットを演奏する機会があって
私はそれなりにできるレベル にいることを知った。
ピアニストになる夢を諦めなければ、また違った世界にいたのかなと思ったことは何度もある
でも、吹奏楽を経て みんなで音楽をすること の楽しさを知ってしまったから
これはこれでよかったのかな。
ピアニストは基本的に一人だから、、孤独な闘いなんだよね。
音楽療法は、一人の時もあるけれど
どちらかというと セッション の形式だから、ひとりじゃないんだ。
色々な夢を諦めてきて、
着いた先が今で、希望とか夢よりも絶望の方が強くて、、
そんな気持ちを吐き出したくてこの記事を書き始めたんだけど
音楽に関しては、やっぱり絶望なんかじゃなかった。
私はずっと音楽と生きてきたから、嫌いになんてなれないし
音楽に関して選んできた道は、間違いじゃなかったって今打ってて思いました。
よかった。
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